マヤ遺跡探訪

YAMIL LU'UM
世界有数のリゾート地のカンクン。 エル・レイ遺跡に加えてサン・ミゲリート遺跡の公開が始まりましたが、他にも マヤの建物が見られるところがあります。

今回カンクンを離れる前の日にどんなものかあるのか探してみました。 全く大した事はない遺跡ですが、リゾート にある遺跡として興味深いので、簡単にご紹介しようと思います。 エル・レイとサン・ミゲリートはホテル街の南の地域ですが、 以下 北の地域です。

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    (訪問日 2014年1月19日)
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 (Vista aérea de Yamil Lu'um)

事前に調べた所、一番有名なのは海岸沿いの岩山に築かれた神殿で、辛うじてグーグル・アースでも確認できました。 黄色い 円で囲ったところです。 カニが鋏を広げたような建物がウェストイン・ラグーナマール(The Westin Lagunamar Ocean Resort Villas, Cancun)、その北の横に2本伸びた建物が ロイヤル・パーク・ピラミッド・カンクン(Park Royal Piramides Cancun Hotel)です。 共に3食込みの滞在型で割高な為、近くで素泊まりの出来るホテルを探しました。  どこのホテルに泊まっても白い砂浜は繋がっています。
Yamil Lu'um  ヤミル・ルーム
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 (Yamil Lu'um entre Westin y Royal Park)

今年のカンクンは北米の異常な冷温の影響で暑さはそこそこ。 靴をバックパックにしまい素足になって白い砂浜を遺跡まで 心地よい散歩です。 宿泊したフラミンゴ・カンクン・リゾートから 500m 位南へ行くと、グーグル・アースで空から見た遺跡が 砂浜から望まれます。 左がウェストイン、右がロイヤル・パークです。

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        (Templo de Alacrán)

ヤミール・ルームとはマヤ語で小高い丘を意味し、見上げると文字通り岩の丘の上に神殿があり、クローズアップすると そそり立った岩盤の上に築かれている様子がわかります。

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        (Subida al Templo)

ロイヤル・パーク側から回り込むと神殿に上がる階段があり、看板には 「遺跡は連邦政府のものでホテルには事故責任は ありません」 と。 一応靴を履いたので足の裏を切る事はないでしょう。 (笑)

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        (Lado trasero de Templo de Alacrán)

        これは階段を上って海を向いた神殿の裏側です。

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        (Lado trasero de Templo de Alacrán)

     少し東側に回ると下から見えていた崩れた壁面が目の前に見え、遺跡の説明パネルもあります。

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        (Breve explicación del Templo)

説明のスペイン語部分を切り出してみました。 神殿はサソリの神殿と呼ばれますが、これは壁にサソリの彫刻あった事に よります。 彫刻は既に失われて残っていないそうですが。

神殿は垂直の低層基壇上に築かれ、4段の階段で神殿の入口に至り、入口は2本の柱で支えられて内部は部屋がひとつ、 外観はイラストに描かれたようなものでした。 1200-1550年頃の建物で、当時は全面に漆喰が塗られ彩色されていたそう です。

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        (Templo de Huella en frente)

少し南東側に場所を変えると手前に小さな矩形の構造物が見えます。 これは手形が残されていたので手形の神殿とも呼ばれる もので、灯台の役割を持っていたと考えられるようです。

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        (Escalinata y dos columnas en la parte frontal)

西を向いた遺跡の正面は、あまり後ろに下がれないので広角でこれが目一杯。 4段のステップと2本の柱は確認できます。

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        (Lado sur del Templo)

        これは神殿の南側の側面です。

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 (Vista al mar hacia noreste)

建物はこの程度で大した事はないのですが、神殿が立つ岩山はカンクンで最も高い場所になるそうで、神殿が沖を航行する船の 目印として建てられたと考えて良さそうです。 こんな豊かな自然の中をマヤの船が行き来していた訳です。

それにしてもここからの眺めは絶景です。 濃紺からエメラルドグリーンに色を変える海、どこまでも続く白い砂浜。 高層ホテルの バルコニーからの景色とは少し趣が異なります。 そしてこの写真で水平線の左端に写っている所が次の目的地です。

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 (Vista del extremo norte en la punta de Canún)

超望遠レンズで覗いてみました。 ホテル街の最北端でカンクン岬の突端となり、このホテルの前にマヤの 建物が残っている筈です。 レンズを通して見ると近いですが、地図で 3.5Km あります。


Vestigios arqueológicos en el hotel Dreams ホテル・ドリームス前の遺跡

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 (Hotel Dreams)

また靴を脱いで素足で砂浜をテクテクと。 空にはカモメの他にペリカンやグンカンドリが舞う中、波打ち際を足を濡らし ながら ひたすら北を目指します。

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 (Playa y mar hacia Hotel Dreams)

砂浜には布地を節約した水着の女性たち、海にはパラセールやジェットスキーを楽しむ人たち。 退屈する事 なく目的地が近づいてきます。

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 (Punta de Canún por Google Earth)

空から位置関係を確認してみました。 岬の先端で砂浜が終わった先が目指すホテル・ドリームスです。

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        (Hotel Dreams)

右側のベージュ色の建物がホテル・ドリームス、左はハイアット・リージェンシーです。 砂浜がここで終わって いるのが問題でした。 ホテル・ドリームスの前は砂浜がなく、ホテルの前は私有地で立ち入り禁止だと。 3Km 以上延々と歩いてきたのに それはないでしょう、マヤの遺跡は国有財産の筈です。 警備の若者と暫く 押し問答。  なかなかガードが固く、最後は鼻薬を効かせて強行突破でした。 (汗)

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        (Templo Costero 1)

        という事で駆け足で撮ってきた写真です。 何だコレ? っていう感じですが。

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        (Panel de explicación)

海沿いの神殿 1 として説明が付けられていました。 南側は崩れていますが、海に背を向けて西向きに入口を持つ 東海岸様式の建物で、航行する船の為に目印として作られただろうと書かれています。 内部には窪みがあり、人物が 描かれた香炉があり、礼拝にも用いられたようです。 時代は勿論後古典期後期で 1200-1550年頃のものになります。

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        (Templo Costero 2 ? )

更に奥にもう一つ建物跡があります。 (事前に予習していました。)  こちらは説明プレートがありませんでした。  海沿いの神殿 2 としておきましょうか?

ホテル・ドリームスの遺跡はこれだけなんですが…、これだけの為に警備員と揉めて、鼻薬まで払ってくる人は珍しい でしょうね。 (大汗)

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 (Isla de Mujeres visata desde Punta de Canún)

でも遺跡前から見るカリブ海の景色、北の方には イスラ・ ムヘーレス も見えています。 多分砂浜からは見えなかったと思います。 鼻薬はこの景色代込みと考えましょう。


ホテル街の北の地区にはポクタ・ポクのゴルフ場の中にマヤの建物がひとつあり、またカンクンの街に向かう途中のビリャ・ ティクールでも建物がひとつ掘り出されているようです。 マヤの時代は島だったカンクンで、陸地に近い為にマヤの人たちの 拠点になっていたようですが、70年代からの観光開発で多くは失われてしまったでしょうか?




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